【テンプレート無料】かっこいい学会ポスターデザインの作り方解説



研究成果を学会でポスター発表する事になりました! でも、学会ポスターが大き過ぎて、どうしたらいいか分かりません… どうやって作ったらいいですか?

安心して!この記事では学会ポスターの作り方について詳しく解説していくよ! 一緒に作ってみよう!

ついでに時間もあまりないんですけど…

手軽にデザインできるよう、最後に無料のテンプレートデザインや学会ポスターの作成サービスも紹介しているので、ぜひ活用してね!



研究成果を学会で発表をする際、学会ポスターを使って発表される方も多いのではないでしょうか?

この記事では、学会ポスター作成歴8年の筆者が、できるだけ手間をかけずに、分かりやすくて、かっこいい学会ポスターを作るにはどうしたらいいか解説していきます。


こんな人に向けて書きました。

  • はじめて学会ポスターを作る事になったが、作り方が分からない
  • お金をかけずにかっこいい学会ポスターを作りたい。
  • 学会ポスターをデザインテンプレートで手軽に作りたい。
  • 学会ポスターのデザインを見て参考にしたい。


この記事を書いた人

薬剤師として総合病院に10年勤務し、学会ポスター発表歴あり。自身の経験・失敗を元に、業務や学術的な資料作りのサポート情報を発信中。 趣味はデザイン、イラスト・素材制作、手芸。


1.なぜ学会ポスターにデザインは重要なのか?

学会ポスターを作るうえで、デザインの重要さについて、あなたはどうお考えでしょうか?
「時間もないし、とりあえず学会ポスターを形にできればいいや」と思っていらっしゃる方も多いでしょう。
しかし、その場しのぎの学会ポスターで発表すると、誰も足を止めてくれないばかりか、研究を発展させる貴重な機会の喪失にも繋がります。


ここでは、学会ポスターにおけるデザインの重要性についてお話ししていきます。
「なぜ重要なのか」を理解することで、目的をもったデザインにすることができますよ。


デザインを良くすることは学会ポスターにとって、研究内容を伝えるためにとても重要です!
「また、見やすくて伝わる学会ポスターは、デザインによって生み出されます。
学会に訪れた人の足をとめてもらえるような目を引くデザインにすることで、研究内容がしっかりと伝わり、研究を発展させる貴重な機会につながります。


デザインを良くしたポスターを使い、学会で自分の研究成果を多くの人に紹介して、貴重な学会発表の機会を最大限に活用しましょう!


2.情報が「伝わる」デザインの3STEP

ここでは情報を正しく伝えるためのデザインの方法を3STEPでお伝えします。

デザイン初心者だから分からない、と思っている方でも仕組みを理解すれば、わかりやすい!きれい!と言われるポスターをつくれるようになります! 

STEP1|何を伝えたいのかを把握

デザインするうえでいきなり作り始めるのはNGです。
まずは、学会ポスターのあらすじ・大枠に当たる部分をしっかり把握しましょう!

  • どういった点であなたの研究内容が有用なのか?
  • 何を調べたくて、研究をしたのか?
  • 過去の論文や既存の説と比べて、あなたの研究でわかった部分はどこか?検討不十分な点はどこか?

を意識しながらまとめてみましょう。

あらすじ、大枠を整理することで、何を伝えたいのかが明確になり
初めて、どのようにデザインするのかが決まります。

具体的に何を伝えたいのか、自分の研究の目的・学会で発表する目的を把握することから始めてみましょう。


STEP2|内容を書き出す

ポスター発表のアウトライン(大まかな概要)を作成しましょう。
基本のアウトラインは以下となります。

  1. 背景・目的(Introduction)
  2. 実験・調査方法(Methods)
  3. 結果(Results)
  4. 考察・結論(Discussion・Conclusion)
  5. 総括・まとめ(Summary)※
  6. 引用文献・参考文献

※5.については、実験結果が複数あって、まとめて総括する場合など、必要に応じて載せましょう。


アウトラインをつくることで、内容を書き出しながら、大まかな情報の分類ができます。

各項目について、図や表の要素を含め、文章は箇条書きにして、書き出してみましょう。
個人的にはグーグルドキュメントやNotionの見出し機能が便利です。

アウトラインは論理的な流れを作るために必要です。
発表の流れを意識しながら作ってみましょう。


STEP3|情報を整理して、論理的に並べる、情報の優先度を決める

アウトラインを作成したら、それに沿って情報を並べていきましょう。
情報が整理されていないポスターは話の流れが分かりにくく、理解するのに時間がかかります。

研究成果を伝えるために重要な作業になりますので、しっかり整理していきましょう。

情報を整理するポイントはこちらです。

  • 情報同士に因果関係はあるか(矢印で表記)
  • 時系列的な関係はあるか
  • 並列の情報は同列に扱う、グルーピングする
  • 比較の情報は同列に扱う、対比関係を分かりやすくする

などをチェックしながら、情報を整理してみましょう。
情報を整理したら、実際に説明する順番で、要点を押さえて、論理的に並べてみてください。
その際、情報が多すぎる場合は、優先度を決めて、内容の取捨選択をするようにしましょう。

分かりやすくするポイントはこちらです。

  • 体言止めを使って簡潔に箇条書きにする
  • 文言を統一する
  • 同じ分野の論文や要旨集を読んで、どういった表現が一般的に用いられているか(独特の表現、専門用語など)調べる

解釈に時間がかかると理解しにくくなります。分かりやすい文章になるように整理しましょう。

情報を論理的に整理することで、話の流れを作ることができます。
また、優先順位を決めることで、しっかり伝わるポスターにすることができますよ。


番外編|学会ポスターに掲載する内容の決まりごと(医療系の場合)

医療系の学会ポスター発表の場合、前述の

  1. 背景・目的(Introduction)
  2. 実験・調査方法(Methods)
  3. 結果(Results)
  4. 考察・結論(Discussion・Conclusion)
  5. 総括・まとめ(Summary)※実験結果が複数あって、まとめて総括する場合など、必要に応じて載せます。
  6. 引用文献・参考文献

に加えて、

  1. 利益相反(IOC)

を載せる必要があります。
ざっくりいうと、第三者との利害関係がなく(資金援助などを受けていない)、公正な研究成果ですよと明示するために載せるものです。
詳しくはこちら↓

https://www.jslm.org/committees/coi/jslm.html
https://amedproject.sfc.keio.ac.jp/180129keioB2.pdf
利益相反(IOC)については、参加する学会のホームページを確認してみてください。
利益相反を開示する対象と基準が掲載されています。


症例発表の場合のアウトラインも紹介しておきます。

  1. 背景・目的 (ガイドライン上の治療がどうなっているのか?症例はどの治療にあたるのか、問題点・不明点など)
  2. 症例 (年齢、性別、身長、体重、体表面積(必要に応じて))
  3. 病歴・病態 (既往歴、治療方針なども簡潔に述べる。)
  4. 使用薬、治療内容
  5. 経過
  6. まとめ・考察
  7. 引用文献・参考文献
  8. 利益相反

通常の治療と違う部分はどこか、治療にどんな効果があったのかを論理的に説明できるようにしましょう。

3つのSTEPを使うことで、各項目の情報量や、情報を並べる順番などが把握できます。
せっかく素晴らしい研究成果ができても、情報が整理されていないと、全く伝わらない支離滅裂な発表になってしまいます。
しっかり情報整理をして、研究成果が伝わる下準備をしましょう。

情報をきちんと伝える準備ができたら、実際にポスターを作っていきます。

3.学会ポスターの基本の作り方

ここでは、実際に学会ポスターの作り方をご紹介します。
学会ポスターをどのソフトで作成したらいいのか、どの印刷方法で印刷したらいいのか、分からない方も多いことでしょう。

前半の3-1、3-2では各作成ソフト・印刷方法のメリット・デメリットを載せていますので、あなたにぴったりの作成方法・印刷方法が分かります。
後半の3-3、3-4では、最も汎用されているパワーポイントを例に学会ポスターの作成方法を具体的に説明していきます!

3-1.目的別!作成ソフトを選ぶ

Microsoft PowerPoint、Googleスライド、 Adobe Illustrator、Canvaどれがいいのか、比較してみました!

 
 

料金

デザイン性

手軽さ

印刷

Microsoft PowerPoint

ソフトがあれば無料、
office365の場合有料

Google スライド

無料

×(画質が印刷向きではない)

Adobe Illustrator

有料

Canva

基本は無料
一部テンプレートや印刷用のCMYKカラーモードは有料

◎テンプレートあり

△CMYKモードが有料

印刷会社に依頼する場合にはテクニカルガイドを参照。使用ソフトによっては印刷用のテンプレートがダウンロードできる場合もあります。

  • Microsoft PowerPoint

職場や学校のパソコンにインストールされている場合がほとんどなので、使い慣れている方も多い事でしょう。
印刷会社でもPDF化して印刷する手順を紹介しているところが多いので、一番無難な選択です。

  • Google スライド

クラウド上で操作が完結し、操作性もパワーポイントと変わらないので、一番手軽です。
データを共有して添削してもらう場合でも、共有のURLを送信すればいいので、非常に便利ですね。
ただ、機能面でPowerPointより制限があるのは注意が必要です。
また画質がやや粗いので、印刷向きとは言えないでしょう。

  • Adobe Illustrator

デザイン性の自由度は一番高いです。
しかし、使用には有料のアカウント契約が必要なこと、操作や印刷に関する知識が必要なことから、使用のハードルは高いです。

  • Canva

クラウド上で操作が完結し、操作性はAdobe Illustratorと似ています。
こちらもデータを共有して添削してもらう場合、共有のURLを送信できるため、非常に便利です。
無料のデザインテンプレートもあるため、比較的手軽に作成できます。

ただ、有料版のデザインテンプレートや学会向きでないポップなデザインテンプレートもあるため、注意が必要です。
また、プリンターを使って自分で印刷する場合は無料版で対応可能ですが、印刷会社に発注する場合、印刷用CMYKカラーモードは有料版である点も注意してください。

この記事では基本的にパワーポイントでの学会ポスター作成について説明していきます。

3-2.印刷媒体を決める

学会ポスターの印刷には主に、布、大判サイズの紙、A3・A4サイズの紙(一枚の大判ポスターを分割する・スライドをそのまま貼り合わせる)の3パターンがあります。

 
 

料金

データ作成の手軽さ

仕上がり時間

携行性

見栄え

会場での手間

高い

ない

大判サイズの紙

やや高い


ポスターケースが必要。
会場への搬入サービスもあり。

ない

A3・A4サイズの紙

(一枚の大判ポスターを分割する・
スライドをそのまま貼り合わせる)

比較的安い

×

貼り合わせる手間がかかる

  • 布に印刷する場合

印刷会社に発注するため、印刷料金や入稿期限に注意が必要です。

大判サイズでの学会ポスターのデータ作成ができれば、ポスターの取り扱いは一番楽です。
折りたためるので、持ち運びを気にせず学会に集中できます。

シルクは耐久性に欠け、歪みの原因になるので、避けたほうが無難です。_

  • 大判サイズの紙に印刷する場合

見栄えが良く、印刷料金も布に比べると安いため、一般的な印刷媒体と言えます。

こちらも印刷会社に発注する場合は、印刷料金や入稿期限に注意が必要です。
印刷機がある会社や学校では、その場で印刷してもらえる場合もあるでしょう。
時間がない時はキンコーズなどの印刷サービスも利用できます。

ただ、持ち運びにはポスターケース(通称バズーカ)が必要になるため、学会参加時や懇親会時に荷物が邪魔になることも。飛行機への持ち込みにも注意が必要になります。

学会や印刷会社によっては学会会場に直接搬入してくれるサービスもありますので、ぜひチェックしましょう。ただ、持ち帰りにはやはりポスターケースが必要です。
光沢紙だと光を反射して、読みにくくなるので、マットなものを選ぶと良いでしょう。

  • A3・A4サイズの紙に印刷する場合
  1. 一枚の大判ポスターを分割、貼り合わせる方法

通常のプリンターでも印刷できるため、料金は一番安いです。
大判ポスターのデータを作成した後、PDFファイルでA3・A4サイズに分割して印刷します。
その後、余白をカットして、ズレないように貼り合わせる必要があるので、印刷してから非常に手間がかかります。
縦のラインだけでも事前に張り合わせておくことをお勧めします。

比較的安く、見栄えもそこそこに、持ち運びもできる方法になります。

  1. スライドをそのまま貼り合わせる方法

データの作成自体が簡単で、修正もしやすく、時間とお金がない場合の選択肢になります。
会場で貼り合わせる手間がかかること、見栄えがよくないことがデメリットです。

3-3.スライドサイズを設定する

3-3-1.学会ポスターの基本のサイズについて

国内の学会では、縦1800mm×横900mm程度の貼付スペースに収まるサイズ(A0サイズ(1189mm×841mm)や1800mm×900mmサイズ)が一般的です。

学会運営者が演題番号を貼るスペース(左上に20cm×20cm程度の余白)を空けておく必要があります。参加する学会のホームページに、貼付スペースの詳細が掲載されていることもありますので、チェックしましょう。

A0の場合だと、上から20cmが演題部分になります。
A3(297×420)を貼り合わせる場合、4×2枚がA0になり、
A4(210×297)を貼り合わせる場合、6×3枚で(1260×891)

A3,A4を貼り合わせる場合は、演題部分をA4サイズ3枚で別に作る必要があります。

パネルきっちりに作らず、下部分が多少空いていてもOKです!
むしろ人が多い場面で、足元まで内容があると、かえって見にくくなってしまいます。

3-3-2.パワーポイントで設定する場合の注意点

パワーポイントのサイズ設定で、作りたいサイズを入力します。

1800mm×900mmを作る場合、パワーポイントの最大サイズ(1422mm、56インチ)を超えてしまうため、同じ比率(900mm×450mm)で作成し、図などのファイルは圧縮しない設定に変更します。
この時、フォントも同じ縮尺で作成する必要があるので、注意しましょう。

3-3-3.国際学会でのサイズは?

2400mm×1200mmの他に、横長の学会ポスター(700mm×1400mm)もあります。
学会のホームページで事前に確認しましょう。
医師向けの学会でも横長(900mm×1800mm)を採用している場合があります。

ftフィート・inchインチとmmの換算表

  mm  (ミリメートル)
1ft (フィート) 304.8mm
1inch (インチ)  25.4mm

その他注意

英語の学会ポスターを作成するときは、フォントは英字フォントを使いましょう。
日本語フォントは、英字を美しく表示するのに適しているわけではありません。
英字で表記するなら、余白・バランスなどの面で、英字フォントが一番美しくみえます。
余計な装飾があったり、違和感があったりするフォントは内容を伝えるのに邪魔になるので、注意しましょう。

3-3-4.演題部分の作り方

A0サイズの大判ポスターの場合や1800mm×900mmを作成する時は、上20cmのスペースを演題部分にします。
A3、A4を貼り合わせて作成するときは、演題部分はA4の用紙3枚で別に作成します。

ワードで作成して分割する方法とパワーポイントの印刷PDFのデータ上で分割する方法があります。

共同発表者の書き方・順番について
発表者を一番最初に書いて、次に貢献した人、その次に貢献した人…の順で記載することが多いです。
ただ、研究室や上司の意向もあるので、記載順については指導者に確認しましょう。順番によっては失礼に当たることもあります。

所属名・施設名については複数ある場合、上付き文字でナンバリングしましょう。

3-4.情報を並べる

実際に整理した情報をポスターに並べてみましょう。

その際、図のタイトルは下にのせ、表のタイトルは上に載せます。
凡例や軸ラベル、単位も忘れず記載しましょう。

略語・頭字語(頭字語(HIV-AIDSやNGOなど))については一番最初に略さず記載する点にも注意が必要です。

引用の仕方については、引用文献の内容をそのまま抜き出し、抜き出した部分が分かるよう、必要に応じて引用スタイルを設定しましょう。
引用部分は順番に、上付きの1)、2)などでナンバリングします。

参考文献の書き方は、抜き出した内容のナンバリングと、引用元を対応させて表記します。
論文の場合:記事のタイトル,著者名,雑誌名,巻数(号数),はじめのページ数-終わりのページ数,出版年
を表記しましょう。

参考:https://www.clib.kindai.ac.jp/search/pdf/guide_quote.pdf

3章では2章で整理した情報を、実際に作成ソフトで並べてみました。
自分に合ったソフト・印刷方法で作成できたら、学会ポスターの持ち運びや貼り出しの際、思わぬ手間がかかることを防ぐことができます!
実際に学会に参加することを想定して、作成ソフトや印刷方法をしっかり選びましょう。

情報を作成ソフトで並べたので、デザインの大枠が固まりました。
次は実際の配色やレイアウト、フォントなど、さらに見やすくなるようデザインのポイントを説明します!

4.かっこいい学会ポスターをデザインしてみよう

ここでは、実際に並べた情報をより伝わりやすく、読みやすくするためのポイントを説明します。
配色、レイアウトについてよく分からない方でも、ポイントをしっかり押さえれば、研究成果がスムーズに伝わる、見やすくてかっこいい学会ポスターを作れます!

4-1.【NG例】分かりにくい、ダサい資料

分かりにくい、ダサい資料のポイントを上げます。

  • グラデーションまみれ
  • 激しい色を使う
  • 色をたくさん使いすぎ
  • 角丸すぎる四角
  • 余白がない
  • 枠が多すぎる
  • 文字が小さく、データや図を詰め込み過ぎている

4-2.配色をデザインする

タイトル・見出しは見やすさが大事です。
学会ポスターは遠くから見るので、文字の読みやすさに配慮しましょう。

コントラストが低いグラデーション、白抜き文字は読みにくいので、避けた方が無難です。
色が多いと、統一感がなく、情報が入ってきにくいです。配色は3色までにしましょう。

自分で設定する場合はシンプル命!ですが、原色は使わないように注意が必要です。
激しすぎて見にくくなってしまいます。

並列の情報は同じ文字の大きさ、色にする(反復)して分かりやすくするといいですね。

4-3.フォントについて

4-3-1.フォントの種類

文字はゴシック体が良いです。
明朝体は文字の一部が細くなっている部分があるため、遠くからは読みにくいです。
遠くからでも読みやすいUD(ユニバーサルデザイン)のフォントだと、ベストですね。

4-3-2.フォントのサイズ

タイトル 70〜90pt
見出し 60〜70pt
本文 32〜40pt
※1422mm以上のポスターを縮小して作成している場合は縮尺で調節しましょう。

3メートル以上離して読めるかどうかの確認をしましょう。
A0の場合の目安は、A4サイズで印刷してみて、読めればOKです。

4-4.レイアウト

縦横の格子を意識して配置して、読む順番を分かりやすくしましょう。

4-4-1.Z型

画像 Z型

4-4-2.逆N字型

4-4-3.レイアウト例

4-5.余白をデザインする

周囲に30mm余白をとりましょう。
また、各要素同士の余白を30~50mm程度均一にとることで、見やすく綺麗になります。

パワーポイントの整列を使って、等間隔に並べるといいですよ!
整列は、同じ情報レベルのものを縦のラインで揃える時にも使えます。

余白のないギッチギチのポスターは情報を把握しにくく、見にくいです。

4章では、3章までで並べた情報を、より伝わりやすくするためのデザインのポイントについて説明しました。

デザインされた学会ポスターを使えば、研究への興味を惹くことができ、見た人がスムーズに情報を得られるようになります。
しっかり配色やレイアウト、フォント、余白をデザインして、情報の順序や関係を理解しやすくしましょう。

次はいよいよ印刷です。

5.学会ポスターの印刷の注意点

ここでは印刷の注意点について解説していきます。
内容に不備がある状態で印刷すると、修正や再印刷の手間がかかるので、しっかりチェックしましょう。
印刷前のチェック項目や印刷会社に依頼するときに、どこをチェックすればよいかが分かります!

5-1.印刷前チェック項目

一度入稿してしまうと、修正ができないので、チェックは入念にしましょう!

  • 誤字脱字はないか
  • 名前の漢字は間違っていないか
  • ナンバリング、通し番号は間違っていないか
  • 入稿画像の画素数は問題ないか
  • 図や表のタイトル、凡例、軸ラベル、単位などに間違いはないか
  • 演題名、演者名、所属が記載されているか
  • 文字化けやフォントが変わっているところがないか
  • 文字や画像のずれ、レイアウトが崩れていないかどうか
  • 画像が抜けている、または粗くなっている画像がないか
  • 画像や文字の色が極端に変わっている箇所がないか
  • フォントは埋め込み設定になっているか(印刷会社に依頼する場合)
  • (医療系の場合)発表内容下部に利益相反に関する記載があるか

などです。

しっかり確認しましょう!

5-2.印刷・納品までの流れについて(印刷会社に依頼する場合)

印刷会社に頼む場合はテクニカルガイドを参照しましょう。
キンコーズや会社の印刷機を使う場合は、PDF形式かJPEG形式にして、データを持っていきます。

印刷・納品までの流れは以下の通りです。

  1. 印刷データを入稿する
  2. 印刷会社がデータをチェック
  3. 内容に不備があれば、印刷会社から修正依頼の連絡あり
  4. 不備がなければ、そのまま印刷開始
  5. 発送

入稿しても、印刷会社のデータ確認が終わるまで、すぐに連絡が取れるようにしておきましょう。

印刷前のデータを確認するポイントについて紹介しました。

チェックをしっかりせずに入稿・印刷してしまうと、印刷された学会ポスターが手元に届いてから、間違いに気づいて、バタバタ修正する…なんてこともありえます。

しっかり印刷時のチェックをして、当日慌てることがないように、準備しましょう。

6.学会ポスター発表で気をつけること

ここでは実際に学会に参加した際の注意点について説明していきます。
せっかく分かりやすい学会ポスターを作っても、小さい声で分かりづらい説明をしてしまうと、相手に伝わらず、非常に勿体無いです。

コミュニケーションをしっかり取って、繋がりを作りましょう。

司会者がいる場合は、発表時間に合わせて原稿を準備し、事前に発表練習をしましょう。
学会ポスターをA4サイズに縮小印刷したものを持っておくと、練習するときに便利です。

せっかく対話できるチャンスなので、相手の理解度・読むスピードを見ながら、大きな声で発表しましょう。

質疑応答やディスカッションでは、違った視点からの質問・アドバイスがもらえることもあり、次の研究テーマを考える時の判断材料にも役立ちます。
発表で質問に答えられない場合は、学会終了後にメールでやりとりするのもOKです。
名刺交換などを通して、繋がりを持ちましょう。
学会後の付き合い次第では、共同研究などにつながる可能性もあります!

学会ポスター発表時の注意点について説明しました。

どのぐらいのペースで説明したらいいのか分からない、連絡先を交換したいのに名刺がないなど、当日慌てることがないよう、しっかり準備しましょう。

学会で得た意見や繋がりは非常に貴重です。
今後に繋げて、より研究を発展させましょう。

7.【無料】テンプレートプレゼント

学会ポスターができました!でもこの作業を毎回やるのはつらいですね…自分ではバリエーションも少なくなりそうですし…

簡単に学会ポスターを作れるよう、パワーポイントの無料テンプレートをプレゼントするよ!これで少しでも時短しよう!
上の記事と一緒に活用してね!

でもテンプレートって文字が大きかったり、演題番号のところにスペースがなかったりして、活用するのが難しいイメージです…

学会向けの無料テンプレートはなかなかないからね…
文字は実際に使うサイズで、情報量別に複数設定しているから活用しよう!
演題番号の部分や、余白でスペースが必要な部分はガイドが入っているので、表示→ガイドにチェックを入れたら表示されるよ。
ガイドの内側にポスターの内容を入れていけば、簡単に綺麗なポスターができるはず!

これで次に学会ポスターを作る時も簡単ですね!

【無料】学会ポスターテンプレート A0サイズPowerPoint

遠くからでも見やすいUDフォントVer↓

(MacはGoogleフォントからダウンロードが必要です。)
https://fonts.google.com/specimen/BIZ+UDGothic

Macを使っていてフォントの設定が面倒な人はこちら遊ゴシックVer↓

8.まとめ・デザインのご依頼はこちらから

研究成果(どういう研究をして、どう考察したのか、それがどう役立つのか)を分かりやすく伝えるためにしっかりデザインすることが重要です。
研究成果を論理的に分かりやすく伝え、自分の研究に興味を持ってもらって、楽しく交流し、より充実した学会発表にしましょう!

この記事では、学会ポスターにとってデザインがいかに重要か
そしてどのようにデザインすればよいかのが分かるよう以下の内容をご紹介しました。

最初の情報が「伝わる」デザインの3STEPでは情報整理についてお伝えしました。
次の学会ポスターの基本の作り方で、パワーポイントでスライドの設定から、整理した情報をスライドに並べましたね。
そこから、かっこいい学会ポスターのデザインを通して、情報が分かりやすく伝わるポイントについてお話ししました。
データを作成した後も学会ポスターの印刷の注意点で、チェックすべき項目を押さえて、印刷ミスで学会間近に焦らないようにしましょう。
実際の学会ポスター発表で失敗しないために、気をつけるポイントについてもまとめています。ぜひチェックしましょう。
無料テンプレートプレゼントでは、予め配色、フォントやレイアウトを設定してあるパワーポイントのテンプレートを配布しています。

記事の内容を活用して、研究内容×デザインでより充実した学会発表にしましょう!

デザインの依頼はこちらから↓

伝わる学会ポスターのデザインを作成します 学会発表経験のある薬剤師デザイナーがポスターを作成します。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA